ローコスト不動産投資を目指す主婦大家、できれば募集時の費用も抑えたい所です。入居者さんを募集する時、通常の仲介業者にお願いすると様々な手数料がかかるのが普通ですね。入居者さんを自分で募集することはできないのでしょうか?自分で募集すれば費用を抑えられるのでは?大家としても、入居される方にとっても、初期費用が少ないのはありがたいこと。しかし、問題点もありそうです。実際に私がした経験をもとに、大家直接募集の費用や問題点と、通常の募集との違いをお伝えします。
Contents
大家直接募集と通常の募集との違いは?
通常の募集とは?
まず、通常の募集と言えば、町の不動産屋さんに募集依頼をする方法です。
そうすると、入居したいという人が現れたら物件の案内をしてくれて、もし気に入っていただけたら、契約の手はずまでやってくれます。契約後も管理を任せて入居後の家賃管理や退去の事務までやってもらうこともできます。
依頼の方法
- 物件名や部屋番号、住所など物件情報
- 間取り図
- 印鑑
こちらを持って訪問するだけ。または、電話だけで済む場合もあります。
お願いするのはとても簡単です。
費用は?
不動産屋に依頼すると、仲介手数料がかかります。不動産屋によって0.5か月だったり、1か月だったりします。0.5か月の場合は借主さん0.5か月、大家さん0.5か月という感じで、仲介業者は損しない仕組みになっていることが多いですが、通常は1か月分を借主さんが支払うのが主流かと思います。
他にかかる費用として、広告料というのがあります。これは、仲介手数料の他に発生するもので、広告料をつけると、入居が付きやすくなります。募集を依頼した仲介業社以外の不動産屋でお客様が契約したいという場合、広告料のない物件ですと受け付けた不動産会社の報酬はなしです。ですので、そういった場合、多くの不動産業者は広告料がある物件を必然的に紹介する傾向があります。
仲介手数料は大体1か月分が相場ですが、広告料は1か月分~2か月、3か月とつける場合もあります。もちろん、付けないことも可能です。こちらは貸主さん持ちです。なかなか入居が決まらない!という場合は検討するといいかもしれません。
このように、通常の募集では仲介手数料や広告料がかかります。また、入居が決まった後の物件管理も任せる場合は管理料も発生します。費用は掛かるけど、手間がないのが最大のメリットです。また、知識が無くても専門家に頼めるので安心です。初めての時などは利用をお勧めします。
最近は、入居者さんは保証会社利用必須が条件という場合が多く見られます。家賃が遅れてしまった場合の保証の他、トラブル時の24時間駆け付けサービスなどが付帯している場合があります。保証会社の利用料は入居者さんが保証会社へ支払います。
仲介手数料 | 広告料 | 管理料 | 保証会社利用時 保証料 |
|
大家 | ※ | 〇 | 〇 | |
入居者 | 〇 | 〇 |
※・・大家も支払う場合あり。
通常の募集に対して、自分で募集する方法が大家直接募集になります。次の段落で詳しく見ていきましょう。
賃貸物件を自分でアピールする方法!
大家直接募集とは?
通常の募集に対して、「大家直接募集」とは不動産業者を通さずに、自分で自分の物件を募集する方法になります。
1.直接募集サイトを利用する
大家が直接募集できるサイトはいくつかあります。このうち、当方が利用したことのある「ウチコミ」という募集サイトについて詳しく見ていきます。
こちらを利用することで、簡単に個人大家さんも直接募集が出来ます。また、間取り図がない!作る技術がない!という場合は作ってくれたり、掲載自体のお手伝いもしてくれますので、図面の知識やパソコンの知識がない人でも利用しやすいといえます。
いざ入居希望の方が現れると、大家さんと希望者さんで直接やり取りがスタート。それに加え、その地域のエージェント(不動産業者)さんが入って、チャットでやり取りができます。細かい条件等を直接入居者さんとやり取り出来たり、物件を自分でアピールできることが最大のメリットです。
エージェントは決まっていて、選ぶことができない、また、契約となった時は仲介手数料1か月分の費用が発生する(大家支払い・入居者は無料)点は大家さん側にとっては少々デメリットです。(※)
せっかく自分で物件の詳細や写真をアップしたりの作業を経てアピールしたのに、最終的には仲介不動産業者が入ってきて、仲介手数料が発生。通常の募集で大家側はかからない費用が必要に。
もし仲介業者が入らない場合は、契約も自分でやることになってしまうため、契約の段取りや作成等、専門的な事はお任せできる点での報酬ということになるのでしょう。
但し、こちらを利用すると、エージェントは必ず入るお約束になっている為、断ることもできません。宅建資格も持っていて、ご自分で契約業務ができる方にとっては必要のない経費になってしまいます。
一方、入居する方にとっては仲介手数料無しなので、初期費用を抑えられるというメリットがあるということです。エージェントの存在は、入居者さんの立場を第三者が入って守るという意味もあります。
入居者さん、初心者大家さん、またはパソコン作業が苦手な大家さんに優しいサイトという印象です。
(※)2021年より、地域のエージェントを選択できるようになるので、利用しやすくなるかもしれません。
費用は?
- 広告料掲載料は不要だが、エージェントに払う仲介手数料1か月分が必要
問題点
私が何度か利用した時の感じでは、あまり良いお客様に巡り合えないといった印象がありました。
ケース1・・○○が職場ですが、車で何分かかりますか?
※調べればわかるようなことを平気で聞いてくる人がいました。
ケース2・・値切ってくる。定職がない。
※なるべく安く入居したいという人が多いです。
対策
- 保証会社利用条件を付ける。
ウチコミ利用の場合は、後々トラブルなどにならないように、第三者としてエージェントに契約関係をしっかりやってもらえる点はメリットと言えますし、保証会社に加入してもらうことを条件とすれば審査が通らない人は契約できないので、ガードできそうです。
仲介手数料 | 広告料 | 管理費 | 保証会社利用 保証料 |
|
大家 | 〇 | ー | △ | ー |
入居者 | 無料 | ー | ー | △ |
△・・・各々、利用する場合
2.地域の無料情報サイトを利用する
地域の無料情報サイト「ジモティ」を利用する方法があります。よく、地元の方向けに売ります買います、とか、無料で差し上げます、とかありますね。ここに募集の案内を掲載する方法です。「ジモティー大家直」「ジモティー賃貸」などで検索してみましょう。
費用は?
- 登録・掲載料は無料
問題点
- 閲覧数、掲載物件は全国ネットでかなり多いが、なかなか決まらない印象。
- 無料でほしい、安く住みたいという人が集まるサイトのため、なかなか良い入居者に巡り会えない。
- 賃貸借契約や管理、全てを自分でやらなければならない。そのため、トラブルになるケースも見受けられる。
- 不動産業者が掲載し、他募集サイトなどに飛ばしているパターンも多々ありますので、その場合は通常の募集になり、手数料発生となる場合もある。
私の経験した範囲内では、やっと問い合わせがあっても、サイトでのやり取りに不安を感じるお客様が多い印象で、なかなか決まりませんでした。
もし、仮に入居者が決まった場合、賃貸借契約を結ばなければならず、自分で契約書の作成から契約までしなければなりません。契約自体は、契約自由の原則において行うことが出来ますが、契約前に行う重要事項説明は宅地建物取引主任者という国家資格を持った方が行う必要があります。ご自身で宅建資格を持っているか、宅建有資格者に依頼する必要がありますので注意が必要です。
対策
- ご自身で宅建資格を取る、または、決まった際にお願いする有資格者の方(または不動産業者)を決めておく。
- 大家さん直接登録の保証サービスを利用する。「家主ダイレクト(casa)」
不動産業者を通さずに、大家さんが直接登録できる保証サービスがあります。賃貸借契約は上記にある通り、大家さん側でする必要がありますが、こちらを利用することで、不動産業者を通して契約する場合によくある、保証の部分や管理の部分をクリアでき、大家さんも入居する方も安心の契約をすることが可能になりそうです。
仲介手数料 | 広告料 | 管理費 | 保証会社利用 保証料 |
|
大家 | ー | ー | ー | |
入居者 | ー | ー | ー | △ |
△・・・利用する場合
費用を極限まで抑えたい方が利用する場合が多い。
3.その他似ているサイト
こちらはまだ利用したことがありませんが簡単にご紹介しておきますね。
- 「スペースリスト(SPACE LIST)」・・掲載料や利用料は無料だが、契約時は不動産業者必須。
- 「直談.com」・・10000件まで掲載無料(キャンペーン中)掲載はポイントが必要。間に不動産会社が入る場合、入らない場合など様々なケースに対応。業社が入った場合は手数料が必要。
- 「大家CLOUD」・・クラウドで自主管理ができるサービス。空き室の仲介業者への客付け依頼が同時に30社に送信可能。利用料は、10戸まで無料。100戸まで月3980円ですべての機能が利用可能。全体の登録物件が少ない。
まとめ
- 通常の募集では、大家さん側のオーダーや細かなニュアンスを仲介業者さんが100%表現してくれているとは限りません。その点、直接募集は自分で物件を自由にアピールできることが最大のメリット。
- 直接募集は通常の募集より広告料がない分、費用面で抑えることができる。但し、大家直接募集サイト利用時は仲介手数料が大家負担となる場合がある。
- 契約は有資格者が行った方が無難。後々のトラブル発生の際はすべての責任を負うことになるため、注意が必要です。
- 通常の募集をしているけど、なかなか決まらない、早く空き室を埋めたいという場合はやってみる価値はありそうです。早く決めるために、通常の募集と併用でこのような直接募集サイトを活用する大家さんが多い。
今回私はたまたま良いお客様に巡り合えなかったのですが、実際に成約されている方も多々いらっしゃいます。双方がメリットデメリットをよく理解し、納得できるなら利用価値があるのではないかと思いますし、これからの賃貸の新しい形として定着する可能性もあるかと思います。